次世代につなぐ商人の絆~かけがえのない商工会青年部であるために~

書感4

2010年12月14日

 本日紹介する本は、ビジネスとは無関係なジャンルの本です。それは、「奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち 伝説の灘校国語教師・橋本武の流儀」(著者:伊藤氏貴 出版社:小学館)という書物です。
 これは、元灘高校の国語教師で長い間教壇に立っていらっしゃた橋本武さんの授業内容を紹介しています。
 今でこそ灘高校は、毎年東大合格者を輩出する名門私立ですが、橋本さんが赴任した当時は全国的には無名の学校でした。
 しかし、わずか数年の内に東大合格者を輩出することになりました。ちなみに、現在の東大総長・東大副総長・最高裁事務総長・弁護士会事務総長なども橋本先生の授業を受けています。この本でも当時の橋本先生の授業について彼らの声が載っています。
 その授業の内容は、世間で言う受験勉強一色の教え方とは一線を画し、中勘助の小説「銀の匙」というおよそ200ページの文庫本を3年間かけて読み込むというものでした。
 そんな授業で東大合格者が輩出するなんてと思われるでしょうが、その教え方は生徒の好奇心に訴えるような内容で、生徒自らが自分で考えたり、調べたりしていく中で知的好奇心をどんどん広げていくというものでした。
 高校時代にこんな先生に巡り合えていたらときっとすばらしい思い出が作れたであろうと思える本でした。

 

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