次世代につなぐ商人の絆~かけがえのない商工会青年部であるために~

書感2

2010年10月13日

 NHK教育テレビで、ハーバード大学教授(政治哲学専攻)のマイケル・サンデル氏が講義する「ハーバード白熱教室」という番組が放映されていました。そして、日本の東京大学でもサンデル教授を招聘し、公開講座が行われました。政治哲学というあまりなじみのない学問の領域で日本でも結構注目されています。

 このサンデル教授は、『これからの「正義」の話をしよう』という本を出版しており、これもまた20万部を超えるベストセラーになっています。この本は、ハードカバーで分厚く、内容も難しいので、なかなか買って読もうという気にはなれないのですが、サンデル教授のことを含め、現代の政治哲学の潮流を整理して特集を組んだ週刊誌がありましたのでこちらを紹介いたします。

  それは、週刊東洋経済という週刊誌で、2010年8月14日-21日合併号で「実践的哲学入門」という特集を行っており、その中で現代の社会問題に対して4つの政治思想の立場からその取り組むスタンスを分析している記事があります。

 政治的自由度と経済的自由度の観点から、①リベラリズム(自由主義)、②リバタリアニズム(自由至上主義)、③コミュニタリアニズム(共同体主義)、④コンサバティズム(保守主義)の4つの政治思想に区分しています。これらの4つの政治思想から日本・世界の各種のテーマを解明しようとしています。例えば、「消費税増税」、「高速道路無料化」、「こども手当」など民主党の主要政策について、それぞれの立場から視座を示してくれています。皆さんが日本の政策を考えるときに、自分の考えがどの政治哲学に立脚するのかがある程度わかりますし、自分と反対意見の人の立脚する立場も考えることができると思います。

 そういう意味では、よく編集された記事だと思います。

 ただ、紹介しておきながら大変申し訳ないのですが、今回紹介した週刊誌は、すでに店頭にはないと思いますので、興味のある方は、「東洋経済新報社」へバックナンバーを取り寄せることなります。

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